聴き方の矯正
我々バンドマンも、ぼんやりと音楽を聴いた場合には、普通の人と同様に歌(主旋律)と伴奏と言う塊で曲の全体像を感じ取っています。

しかし、好きなアーティストだったり、自分の好きな楽器や自分が演奏する楽器が前面にフューチャーされた楽曲を聴いた途端に、意識は森から木に移動します。
そして多くの人が、この意識の移動を自覚していないのです。
まずはこの意識の移動を意図的に抑えて、聴き方を矯正をしていってみましょう。
【第一段階】歌と主旋律を覚える
意識の移動を意図的に抑えるには、歌と主旋律を覚えるのが効果的です。
第一段階では、曲を良く聴き、歌と主旋律を歌って覚えていきます。
例えば
イントロ
⬇ボーカルパート⬇間奏⬇ボーカルパート⬇アウトロ
イントロや間奏にメロディ楽器が無い場合は、リズムフレーズが主旋律ですから、それを歌います。
更に、ボーカルの切れ間にギターやベースの印象的なオブリガートフレーズが入っていたり、ドラムのフィルが入っている場合には、それも主旋律として捉えて歌います。
この要領で曲の頭からお尻までを完全に歌い切りましょう。
主旋律は曲を貫いて常に存在していて、曲全体が歌っていることを感じとることが重要なのです。
これに慣れてくると、無音のブレイクすら主旋律の一部として捉えられるようになり、ブレイク明けの遅れもなくなってきます。
良く言われる『グルーヴ』ってやつもここから生まれてくるので、サボらないで歌いましょう。
【第二段階】ニュアンスをコピーする
主旋律を通して歌えるようになったら、次に主旋律のフレーズをなるべく細部まで再現してみましょう。
ビブラートやベンド、フォールと言ったアーティキュレーションはもとより、音の長さ、音量変化、リズムなど、細かいニュアンスも疎かにしてはいけません。
ちなみにリズムの強化については、ほとんどの教則で「メトノームを使え」と書かれていますが、良い演奏を細部まで聴いて真似るほうが順序としては先です。
これがひと通り出来るようになった後に、更なる強化としてメトノームを取り入れれば良いでしょう。
ここでのポイントは、とにかく何度も聴いて、その楽曲を知ること。
ある曲をコピーしてきたはずのプレーヤーが、複雑なメロディやリズムトリックを理解しないまま、何となく自分が出来る手癖に置き換えて省略している、なんてのをスタジオで良く見ますが、これはダメです。
フレーズを聞き取れなかったり、リズムの構造が理解できないのは、聴き込みが足りない証拠です。
わからないことを適当に違うものに置き換えて仕舞うくらいなら、わからないままのほうが、わからないことを知っているだけマシかも知れません。
むちのち【無知の知】
自分が知らないことがある、とわかっているだけ、知った気になっている人達よりひとつ賢い。
ソクラテス
とは言え、超絶技巧のボーカリストのハイトーンやこぶし回しを、ボーカリスト並みに練習して身に付けろ、という意味ではありません。
ここでの「歌う」というのは、ボーカリストの能力をトレーニングしている訳ではなく、あくまで脳へのインプットの補助として行うものですから、インプットしたものが正しければ、アウトプットの段階で技術の不足があっても構わないのです。
高い声が出なければオクターブ下げても構いませんし、こぶしが上手く回らなくても「俺の喉では再現できないけど、この歌手はここでこんな感じのこぶしが回ってるんだよな」と、頭の中に曲が鳴っていれば問題ありません。
無論、あなたがボーカリストなら、再現出来るように練習が必要ですよ!!


0 件のコメント :
コメントを投稿